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2007年1月12日 (金)

【Segantini】

Segantini, Giovanni (セガンティーニ、ジョヴァンニ)(人名):ジョバンニ・セガンティーニ ・・・・・ 画家。アルプス3部作が有名。

今日、NHKで「迷宮美術館」を見ていたら、このセガンティーニが取り上げられていました。わたしは、このセガンティーニについてはよく知りません。でも、実を言うと、ここしばらくこの名前が思い出せなくて、「あ゛~、なんて言ったっけな~?」と身悶えしていたのでした(大げさ)。

なぜこの名前を思い出そうとしていたかというと、わたしが中学生ぐらいの頃から好きだった詩人、伊東静雄が、セガンティーニの画からインスピレーションを得て、彼の絶唱のひとつと言われている詩を書いたからでした。その詩は「曠野の歌」という作品で、彼の処女詩集「わがひとに与うる哀歌」に収録されています。

この人は、確か佐賀県の生まれで、諫早に移って、京都大学に進んだ後大阪の住吉高校で教鞭を執ったと記憶しています。後で調べて違っていたら訂正します(^^;) まあ、わたしの故郷と近いところで活動していた方なのです。上述の「曠野の歌」の他にも佳い作品がいっぱいあります。詩の好きな方は読んでみたら良ろしいかと思います。

わたしがこの詩人を知ったのは、中学生の頃です。父のツンドク文庫に「日本文学全集」というおどろおどろしいものがあり、その中の「昭和詩集」に彼の作品の一部が掲載されていたのを見つけたのです。そのいくつか掲載されていた一連の詩の最初のものが、上述の「曠野の歌」で、なにやら強い印象を受けました。それから、高校生の頃に確か岩波文庫で「伊東静雄詩集」を買い、読み進んでいくと、「曠野の歌」の解説欄(富士正春氏)に、伊東静雄がセガンティーニの「帰郷」という画からインスピレーションを得てこの作品を書いたと書かれていたのです。

何でも、アルプスの雪景色の中、棺を引く馬とそれに続く人の行列が描かれているそうです。今日、その「セガンティーニ」という画家の名前を思い出していろいろ検索してみたのですが、それらしい作品には行き当たりませんでした。が、もしかしたらそれ、少なくとも可成り似ていると言う作品はありました。それが、アルプス3部作の「死(Vergehen)」というもの。

Segantini_alpen_triptychonこれは、冬のアルプスです。春のアルプスを描いたものには「生(Werden)」という題が与えられています。生と死の循環、死は終わりではなく始まりなのだと言うことが描かれて居るんだと、誰かの解説にはありました。セガンティーニという画家について、もう少し知りたい気持ちになりました。

実は、わたしは一連の伊東静雄の作品が好きで、大学生の時、拙いながらも伊東静雄の作品に男声合唱の曲を付けて組曲なぞにしてしまった、しかも、そのうちの1つはコンクールにも応募して、当然のごとく落選したという「イタイ」過去があったりします。懐かしい・・・・・(--;)

伊東静雄を偲ぶHP(作品が読めます)

http://www11.ocn.ne.jp/~kamimura/

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エッセイ」カテゴリの記事

コメント

大昔、学生の頃、ルガノからイタリア領を通ってオーバーエンガディンに登るバスに乗りました。サン・モーリッツにも行って、セガンティーニ美術館見てきましたよ。この三部作もあった。よかったです。
伊東静雄はあまり知らないのですが、セガンティーニは子どもの頃に画集で見たときから、不思議な魅惑を感じましたね。

投稿: takuya | 2007年1月12日 (金) 22時06分

takuyaさん♪

学生の頃に見たセガンティーニ、もちろん実物だったわけですね?今日のテレビでは、その美術館の映像もありました。円形の部屋を囲むようにして3部作が展示されているとか。見てみたいなぁ・・・

セガンティーニは何でも薄幸の少年時代を過ごしたようで、なにやら内側にすごく強いものがあるようですね。

投稿: 樅の木 | 2007年1月12日 (金) 22時18分

樅様…
樅さまはやっぱり詩人でらっしゃいますね。
文学少年っだったのですね
なんとなくじいんときてしまうようなものがありました。
伊東静雄…私の他界した母(また母の話かいって感じ?)が好きだったのです。本(詩集?)が何冊か実家にあります。

私自身はといえばそれらの本をちゃんと手にとったことがあまりないんですが…
今はほとんど本を読んでいませんが、以前にはたとえば大江健三郎は前から読んでいて、彼の作品に伊東静雄の誌をモチーフにした小説があったとうことを覚えています。

投稿: spatz | 2007年1月13日 (土) 00時18分

spatzさん♪

そうですか、お母様が伊東静雄をお好きでしたか。
なかなかやりますね。>お母様 (^^)

伊東静雄の言葉は、少し前の日本の美しい言葉です。人々が書き言葉と話し言葉とを区別していた時代(?)の、書き言葉を練り上げた人のつけた果実でしょうか。

大昔、諫早に行ったとき、公園の高台に伊東静雄の詩碑が建っていました。偶然見つけたのですよ。ばったり出逢った、みたいな感じでしたね。

投稿: 樅の木 | 2007年1月13日 (土) 00時32分

あ、思い出した。
大江にでてきたのは「鶯」という詩の一節でした。

(私の魂)といふことは言へないその証拠を私は君に語らう

というの。

多分樅の木さん私の母と話があったに違いない、と思います(世代はもちろん母のほうが上なんですが…笑)

音楽すきだし、ドイツ文学好きだったし、こういうのも好きだったし・・・彼女は翻訳家にはならず(翻訳もしていましたがそれで食べていけるほどの仕事はしていませんでした)、司書の資格を活かして本の整理などをしていました。高橋健司(字あってるかな?Hesseの訳者)のところで彼の生前蔵書整理とかもやってたみたいです。

投稿: spatz | 2007年1月13日 (土) 00時57分

spatzさん♪

「鶯」と言ふ題名では覚えていないのですが、その引用された一節は、覚えがあるような気がします。

>多分樅の木さん私の母と話があったに違いない、と思います

伊東静雄が好きの一点で、すでに話は合うでしょうね♪無名の詩人ではありませんが、白秋、藤村はもちろん、朔太郎や中也、ついでに空也のようには有名でないですから、たまにそう言う人とお目にかかったら、いっぱい話してしまいそうですね♪

健二さんだったかな?>高橋さん

投稿: 樅の木 | 2007年1月13日 (土) 01時10分

セガンティーニ・・いいですね。大原美術館に青い空青い服の女性が羊?か何かに囲まれている絵が確かありました。アルプスの光とか空気とか感じられる絵でした。セガンティーニの絵の中で暗くなりかけた(もしかしたら反対に夜明けかも)中に立つ十字架の前の女性と動物の絵の光の加減がステキに思えて実際を見たいなぁと思っています。その絵もセガンティーニ美術館にあるようです。あ~!行きたい~!
伊藤静雄はセガンティーニに影響を受け詩を残し、樅の木さんは伊藤静雄に影響を受け曲を作り・・こうして芸術や文学は育っていくのですねぇ。

投稿: ろこちゃん | 2007年1月13日 (土) 13時48分

ろこちゃんさん♪

大原美術館と言えば、ろこちゃんさんのところから結構近いですね。セガンティーニ in 大原美術館。1枚あるんだそうですね。昨日いろいろ検索していたときに出てきましたよ。これですね♪

http://www.ohara.or.jp/200606/jp/1_web/1/exh/012.html

(リンクがアクティブでなくてスミマセン)

芸術家の影響の連鎖も、わたしのところに来たら止まります。(^^;)

投稿: 樅の木 | 2007年1月13日 (土) 14時21分

樅の木さん

私もいつかセガンティーニ美術館に行ってみたいなと思うようになったところだったのです~。テレビ見逃してしまって残念! 樅の木さんは作曲までできちゃうんですか。ホントに多才でいらっしゃいますね。

あむ@やっとほとぼりが冷めた

投稿: あむ | 2007年1月13日 (土) 23時13分

あむさん♪

あむさんも、セガンティーニお好きなんですか?テレビで、取り上げられた時間はあまり長くなかったですけど、なかなか面白く見ました。あの番組は時々極めて良い問題が出ます♪

作曲は誰でも出来るんですよ。
名曲を書くのがなかなか出来ないのです♪

>ほとぼり
モー×xルトの?

投稿: 樅の木 | 2007年1月14日 (日) 00時22分

教えていただいたリンク見ました!「アルプスの真昼」という題だったのですね。しかも購入時のエピソードとか詳しく書かれていてなかなか興味深かったです。大原美術館のWEB展示室ってすごいですね。全部見たり読んだりするには相当時間がかかりそうな量です。時々覗いてみようっと!

投稿: ろこちゃん | 2007年1月14日 (日) 10時57分

ろこちゃんさん♪

この「アルプスの真昼」という作品、ネット内のどこかで、伊東静雄が影響を受けた作品(のひとつ)として説明のあったサイトがありました。のどかな良い風景ですね。

セガンティーニの肖像画をどこかで見ましたが、結構男前ですね。あるいは男前に描いたのか?

投稿: 樅の木 | 2007年1月14日 (日) 14時19分

やはり樅の木さんは文学青年だったのですかー。なんだか最初からそんな雰囲気ありありでございました。
文学青年は、イタリアオペラを聞いちゃいけないんですよ。ドイツリートこそ文学青年の居るべき場所だと思われます(だんてい)。イタリアオペラに逝ったら、言いつけますよ(←誰に?)
ドイツ語の曲は、発音が難しいです。どうせ意味不明ならラテン語の方が10倍マシです。ああ、ラテン語郷愁・・・・・・・・(嘆)

投稿: ほっしー | 2007年1月18日 (木) 00時19分

ほっしーさん♪

まずは改名されまして良かったですね。うううよりずっとHNらしい(^^)

>文学青年は、イタリアオペラを聞いちゃいけないんですよ。ドイツリートこそ・・・・・

大きなお世話じゃ(爆)。いえいえ、ま~た音楽会の季節ですが、ドイツ語で歌いたいなとは思っているんですけどね。絞りきれない。参加、見送ろうかな?

投稿: 樅の木 | 2007年1月18日 (木) 18時32分

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