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2012年1月 9日 (月)

【Steuererhöung】 増税

Steuererhöung(シュトイヤーエアヘーウング)(女):増税 …… die Steuer(ディー・シュトイヤー)は税のこと。この語の中にteuerという綴りが含まれているが、ドイツ語にはまさしくこの綴りのteuerという形容詞があり、「値段が高い」という意味になる。皮肉だ。なめとんか。これが中性名詞でdas Steuer(ダス・シュトイヤー)だと「舵」という意味になるのだが。

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どうやらいよいよ消費税率が増えそうな雲行きになってきた。

とは言え、現在の税率5%は世界レベルから見るとまだ低い方だと思う。わたしはドイツで10年以上暮らしたが、税率は渡独したばかりの頃で14%だったと記憶している。これは高いと思うが、その替わり失業者などは働きたくなくなるほど手厚い保護を受けていた。社会保障が充実しているという印象があったのだが、今のユーロ危機ではそうも言っていられないだろうか。

さて、ドイツでこのような高い消費税(ドイツではMehrwertsteuer=メーアヴェアトシュトイヤー=付加価値税と言われていたが)を払っていたわたしとしては、消費税が2桁になっても驚きはしないが、政府・官僚には是非考えて頂きたい事柄がある。それは消費税の免税点についてだ。デューティーフリーショップの「免税店」ではない。免税点である。これは現在では年収1000万円となっている。すなわち年収が1000万円に満たない場合、消費税を納入する義務はない。しかし、である。

もともと、この消費税免税点は年収3000万円だったのだ。これが2003年に1000万円に引き下げられたのだ。つまり、それまでは消費税を支払わないでも良かった年収1000万円~3000万円の事業者に突然(?)消費税の納入義務が課せられたのだ。実際の買い物などでかかる税率は5%のままだったので、国全体には「増税が行われた」という感覚がなかった。この年わたしはすでに翻訳者の看板を上げていたが、まだ二足の草鞋状態で、年収3000万円など夢の夢(今でもだが)だった。1000万円でも夢だったので、お恥ずかしい話だがほとんど印象に残っていない。しかしこれは実に巧妙な増税だった。この年収1000万円~3000万円のゾーンにどれだけ多くの零細業者が含まれているのだろうか。

少し計算をしてみればわかることだが、年収3000万円の場合、現行の消費税率なら納入する消費税額は150万円となる。年収1000万円なら50万円だ。これだって多いのだがまだ何とかなりそうな数字でもある(か?)。しかし、税率が10%になったら、年収1000万円の事業者は100万円の税を納めなければならないことになる。しかし、国税、地方税、健康保険などを納めた上で、さらに年収の10%の税金を持って行かれたら(現実には支払いは2年後なのだが)どうやって暮らせというのか? いや、もちろん暮らせはするだろうが、おそらく年収999万円の方が豊かに暮らせるだろう。そうなると、仕事をセーブする事業者や、脱税を試みる事業者も増えそうな気がする。そして、年収1000万円というのは、我々翻訳者のような身ひとつの足し算型フリーランサーでも、上手く行けば超えてしまうラインなのだ。

現在の増税論議の中で、零細事業者の立場を考えて、免税点にまで考えを巡らせてくれている政治家や官僚がいるのだろうか。しかし、この免税点はなんとしても最低2000万円にまでは引き上げて貰いたいものだと思う。ブログに書くだけではなく、地元の政治家にも働きかけたい。これは自民党政権の頃に行われた「隠れ増税」であるから、自民党が音頭を取って貰うべきものだとわたしは思う。

 そう言えば、ワグナーのオペラに「さまよえるオランダ人」という作品がある。その中に有名な男声合唱曲「水夫の合唱」があり、その第一節の歌詞は“Steuermann lass die Wacht(シュトイヤーマン ラス ディー ヴァハト)”という。意味は「舵取りさんよ見張りなんかやめろ」という。そのあと「こっちへ来いよ」と続く。ここでのSteuermannは船の舵を取る人のことなのだが、これはもう「税務署員さんよ、見張りなんかしないでくれ」と聞こえてしまうと言うものだ(爆)。

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