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2015年7月13日 (月)

【Werbung】  宣伝、広告

Werbung(ヴェアブング)(女):宣伝、広告 …… 英語なら Advertisement とか、あるいは Promotion とか訳されるようだ。広い意味で取るなら、電話の受け答えひとつ、メールの返信ひとつがすでに Werbung であるとも言える。商売をしているなら、あたらおろそかにすることはできない。


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 わたしなどのような、在宅フリーランスの翻訳者は、営業をするにしても大々的に宣伝、広告を打つと言うようなことはしない。大抵はそうだ。それに不特定多数に訴えかけるような業態でもない。営業をかける相手は大抵は翻訳会社だ。エンドユーザーとの直接取引という選択肢ももちろんあるが、そう簡単に上手く行くものでもない。翻訳学校を修了してその系列から仕事を頂くという選択肢もあるが、門戸は広くなかろう。翻訳会社のトライアルを受けて合格し、外注者のリストに入れて貰うところから始まるのが一般的だ。これはしかし、外注先のリストに入れて貰うだけなので、実際の仕事に繋がるかどうかはまだ流動的だ。わたしも、13年以上やってきているが、トライアルには合格したけれど、今まで一度も仕事を貰っていないというエージェントがいくつかある。初仕事を貰っても、リピートに繋がるかどうかは流動的である。ほぼ誰に対しても開かれたルートではあるが(トライアル受験資格を制限するケースもあるようだが)、遠回りであるとも言える。

 わたしがこれまで取引をしてきた翻訳会社を、その取引発生に到るまでの道筋で分類してみた。トライアルを受けて合格した取引先がもっとも多いが、出来高は「紹介」によって取引の始まった翻訳会社の方が圧倒的に多い。確かに、信頼できる人から「この人は上手ですよ」と、あるいは「この人は実績のある人ですよ」と言って紹介された場合の方が、仕事を頼む方は安心なのでこちらの方が出来高に結びつきやすい。トライアルを受験して合格した取引先とは、細く長い取引になったり、太く短い付き合いだったり太いものが時々来る=長い目で見れば継続的な取引、になったり導かれる結果はさまざまだ。紹介の場合はスタート時点での安心度が高いので、安定した取引になることが多い。

「トライアル」と「紹介」の他に「PEサイト」からの引合というものがある。つまりネット上の翻訳者リストに登録して、自分のPRを掲載させて貰うという方法だ。引合の数はこの経路からが最も多い。いまなら、平均すれば月に5件~6件ぐらいは引合が来る。ただし成約率は低い。値段が馬鹿安かったり、スケジュールが合わなかったり、わたしは海外のエージェントや個人からの引合には応じていないのだが、そのようなところからオファーが来ることもある。しかし、このルートで取引が始まり、現時点で安定した出来高に繋がっている取引先がおよそ5社ほどあるので、この「PRサイト」という経路も馬鹿にはできない。

 実はこのPRサイトにPRを載せる際の注意点を教えてくれた人がいる。平均して月に5件~6件の引合というのは、決して少なくはないと思うが、こういう成果に繋がっているのも、この人の助言に負うところが大きいと思っている。この人はわたしが駆け出し時代、期間は短かったがお世話になったエージェントの社員で、採用担当だった人だ。年齢も近く、波長の合うものを感じていた。その人が、別の事業を立ち上げるために退職する際、仕事を獲得するためにPRサイトを活用する方法を教えてくれたのだ。PRサイトに書くべきことと、書くべきでないことをひとつずつ。

●実績を書くこと
 特に、新しく仕事を獲得するという点で見ると、翻訳業界というのは、実力主義というよりは実績主義である。人の語学力というものは正確に評価することはできない。脚の速さならタイムを計れば評価できるが、それだっていろんなコンディションに左右される。外国語力にしても母国語力にしても、正確には評価できない。その人が翻訳者として信頼できるかどうかを判断するには、電話やメールの対応の仕方やレスポンスの早さなど以外では、今まで何をしてきたかしかない。それを見て、仕事をひとつ任せてみて、それから取引が太くなったり終わったりするのだ。だから、自己PRの文章には、具体的な実績をわかりやすく書くと良い、と言われた。

●お題目は書かないこと
 お題目というのは、「わかりやすい日本語で書くことを心がけています」、あるいは「納期を守ります」などのような、基本的心構え的な事柄を言う。このような事柄は、当然のこと、プロなら誰でもやっていることであって、いちいち言うにはおよばない。バスやタクシーの運転手が「わたしは運転免許持ってます」と言ったところで、誰も「これはすごいドライバーだ」などとは思わないのと同じだ。こういう事柄は、他人に言って貰ってナンボというようなもので、こういうことを自分の手で書き連ねていると(書いている本人は気持ち良い)、「他に何も書くことがない人」、「書くべき実績のない人」と思われるのが落ちだ。そもそもPRサイトに人材を探しに来る相手が何を求めているのかなど、少し考えればわかることだ。自己PRという貴重な場で、具体的な実績をわかりやすく書くことが出来ない人というのは、ビジネスのセンスがない人であり、ビジネス関連の重要な文書をそのような人に翻訳して欲しいとは思わない。少なくともわたし(=助言をくれた知人)はそのように判断してきた。だから、仰々しいお題目は書かない方がいいよ、と言ってくれた。

 この他にも、実際にエージェントと取引するようになった際に注意することや、歳を取ったら営業上はこういう点に注意したら良いなど、いろいろとアドバイスを頂いた。そして、この助言にしたがって、PRサイトにPR文章を書いて掲載してみると、結構引合が来るので驚いた。もちろん、引合が来るということと、成約すると言うことは別なのだが、引合が来なければ全く話にならない。まあ、具体的な実績を書かずにお題目ばかり書いていても希に引合は来るかも知れないが、大した仕事には繋がらないのではないかと思う。

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コメント

お久しぶりです。なんかぶいぶい毒吐いてますね。ああいうPRサイトって、中には安物を探しに来る人も居るから、へなちょこさんでもたまには良いことあるみたいよ(笑)。

投稿: ロッテンマイヤー | 2015年7月19日 (日) 22時02分

ロッテンマイヤーさん

ちょっとレスが遅れました。すみません。

いや、でもなんか、ロッテンマイヤーさんの方が毒きつくないですか? (笑)

いや、誰にでも「初めて」ということはあるので、安い仕事でも一生懸命やって、実績つくって、階段上がって行くんですよねえ。思い出すわ~

投稿: 樅の木 | 2015年7月25日 (土) 02時17分

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